妖怪掛け軸作家・大蛇堂(おろちどう)さんの「山梨の妖怪展」が8月10日から、山梨県防災新館(甲府市丸の内1)1階やまなしプラザオープンスクエアで開催される。
神奈川県に住んでいた大蛇堂さんは絵画を描く画家だった。2017(平成29)年に妻と知り合い住む場所を探していたところ、隣町だった山梨県上野原市に空き家を見つけ移住。上野原市内には民話の看板がたくさん立っており、その民話を調べていくと「ご当地妖怪」がいることを知った。それから妖怪を調べて描くことが面白くなり、珍妖怪を重点的に掛け軸に描くようになったという。
民話や伝説に残る山梨県27市町村の妖怪を大蛇堂さんが探してきた話からイメージしてイラストを描き、掛け軸にして紹介する同展。今年で4年目の開催となり、描いた山梨妖怪は150体以上を数える。昨年は200人ほどが来場したという。作品には、話を短くまとめた説明書きも添え、掛け軸の絵を見ながら話の世界を感じ取ることができるよう工夫した。
入場者には、先着順で妖怪クイズの台紙になる特製クリアファイルを配布。会場を回りながらクイズに正解するとシールがもらえ、クリアファイルの柄が完成する。
8月10日には、徳タケ喜一(妖怪TALKDJ)さん、KOUさん(候奇楼国所属怪談語り)、サイコでこさん(甲斐怪談夜会主宰)を招き、「山梨在住の本格怪談師による恐怖の夜!怪談ナイト」も行う。
大蛇堂さんは「妖怪は怖いイメージが先行しやすいが、調べてみると、かわいかったり、間抜けで笑えたりする。山梨県内どこから来ても自分の住んでいる地域の妖怪を知ることができる。妖怪を通じて、風土や郷土に思いをはせてもらえれば」と話す。
開催時間は10時~19時。入場料は500円(中学生以下無料)。8月13日まで。怪談ナイトは19時~20時。観覧料1,500円(入場料込み)。