日本女子サッカーリーグ2部のFCふじざくら山梨は10月26日、第22節の最終戦で岡山湯郷Belleと対戦し、0-2で敗北した。
試合は岡山県美作ラグビー・サッカー場で13時にキックオフ。堅守速攻で挑む岡山に対し、ふじざくら山梨は持ち味を出し切れず無得点で終了。目標としていた1部昇格を懸けた入れ替え戦進出もかなわず、シーズンを終えた。
「競技でも一流、社会でも一流」を掲げ、競技と社会活動を両立させる「プレイングワーカー」の育成を目指す同クラブは鳴沢村に拠点を置き、地域との密接な連携を重視している。ホームスタジアム「富士山の銘水スタジアム」(富士北麓公園)ではファンや地域住民との交流を図り、クラブとしても地域貢献に取り組む。
チームにとって1部昇格は長年の悲願であり、選手やサポーターも来季に向けて再挑戦の決意を固めている。試合後、選手たちはファンへの感謝を述べ、背番号16の辻野友実子選手は「悔しさはあるが、今の自分にできることは出し切れた。来年はもっとレベルアップして、みんなと笑えるシーズンにしたい」と意気込みを語った。小鍛治旭選手も「言葉にできない感情を体験した」と振り返り、「来シーズンは強くなって戻る」と決意を新たにし、サポーターに感謝の意を表明した。
今シーズンで引退を発表した松岡沙由理さんは「単純に相手は強かったが、最初から負ける気はなく、チャレンジャーとして挑んだ。山梨で待ってくれているメンバーのためにも勝ち点を持ち帰るということが目標だった。支えてくれた周りの人が本当にいつも前を向かせてくれ、最後まで戦う事ができた。今日の試合で私のサッカー人生は終わったが、今はお腹いっぱいという気持ち。もうこれ以上走れないのが現状。このチームで、応援してくれる皆さんの中でサッカーができたことは自分の記憶の中に残る。本当に素晴らしい1日だった」。
田中里穂さんは「ふじざくらに入って6年。長いようで短かった。1年1年が濃く、最初は県リーグから始まったクラブが今では昇格争いまでいけるようになり、強くなっている実感と同時にクラブで過ごせたことを誇りに思う。サッカーを通して継続することの大切さや、苦しい時でもやり続けるという事は自分自身の中で学べた。今後経験したことのない未知の世界にいくこともあると思うが、自分の信じた道を突き進むということをぶれずにやっていきたい」とそれぞれコメントした。