山梨県は11月20日、新たなデザイン推進拠点「山梨デザインセンター」を県庁舎防災新館2階に開設した。
同センターは県立美術館の付属施設として設置ける全国初の試みで、デザインの力を活用して地域活性化や社会課題の解決を図ることを目的とする。「デザインの力で山梨をしなやかに美しく」を基本理念に掲げ、「政策×デザイン」「地域×デザイン」「産業×デザイン」を柱とした活動を展開。地場産品の商品開発やプロモーション支援、デザイン思考を学ぶ講座の開催、デザイナーやクリエーターのネットワーク構築など、多岐にわたる取り組みを行う予定。
施設は、イノベーションやコミュニケーション、プレゼンテーションが生まれる場所となるよう設計し、デザイナーやクリエーターの交流の場となるコミュニティースペースや、作品展示が可能な展示スペースを設ける。施設面積は163平方メートルで、うち125平方メートルがコミュニケーション・展示スペースとなっている。
開設当日に開かれた、オープニングイベントで、長崎幸太郎知事は「デザインの持つ力を最大限に生かし、デザイン先進県の実現に向け、しなやかな発想で取り組む」と決意を表明した。
イベントの第2部では、センター長を務める多摩美術大学教授の永井一史さんをファシリテーターに、デザインディレクターの深澤直人さん、柴田文江さん、林千晶さんによるトークセッションを行い、デザインに対する独自の視点を語り、山梨県のデザイン先進県実現に向けた抱負を述べた。
永井さんは「行政とデザインの融合を目指し、山梨県をモデルケースとして全国展開していきたい」と意欲を見せる。