
甲斐市西八幡町で長年営業を続けてきた「Cafe Links(カフェリンクス)」が6月7日、甲府市北部に位置する渓谷・昇仙峡(甲府市猪狩町)に移転オープンした。
北海道産小麦や山梨県産の卵を使ったパンケーキを看板メニューとし、「つながる」をテーマに、地域の人々が集う場を提供してきた同店が、自然豊かな観光地で再出発する。
「安全でおいしいデザートを提供したい」という思いから、2018(平成30)年11月11日、夫婦で始めた同店。常連客からは「ボス」と呼ばれる店主とともに、一貫して食材にこだわり、国産小麦の選定や山梨県黒富士農場の卵の使用などして、「より安心な素材を追求してきた」という。パンケーキから始まった出会いやつながりは、地域に根差した店舗運営へとつながり、多くの人々に親しまれてきた。
5月18日の最終営業日には常連や近隣住民が訪れ、別れを惜しむ声が相次いだという。さらなる挑戦として選んだのが、山梨の景勝地・昇仙峡。豊かな自然に囲まれた環境の中で、観光・福祉・健康を支える「人と人が支え合う」場所として新たなスタートを切る。
新店では、山梨県産米粉100%と黒富士農場のオーガニック卵を使った「ぱんけーき」や、甲州ワインビーフを使い、目の前で摘み取るサラダをトッピングした「ピザ」、天然氷と県産果物の生シロップを使ったかき氷などを提供する。席数は40席。
経営するwinWin(甲斐市)の稲木俊子社長は「コロナ禍でサクランボ農家から『お客さまが来れなくて破棄しなければならないものを何とかしてほしい』という相談から始まった。それから、農家が抱えてる問題、地域課題を知り、直接農家と関わることにこだわってきた。関わることで、もしかすると解決できることがあるのではと5年かけて仕組みづくりをしてきた。これまでの地域密着から観光にチャレンジして、ここから山梨のいいものが発信できたら」と意気込みを見せる。
営業時間は10時~16時。