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湯村温泉街「旅館明治」がリニューアル 太宰治ゆかりの宿、文化発信拠点に

旧旅館明治内の資料を移設した「太宰治資料館」の様子。

旧旅館明治内の資料を移設した「太宰治資料館」の様子。

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 甲府の湯村温泉街の老舗旅館「旅館明治」(甲府市湯村3)と公衆浴場「鷲の湯」が8月1日、大規模リニューアルを経て再オープンした。

湯村温泉街「旅館明治」外観

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 1897(明治30)年に創業し、文豪・太宰治が執筆のため滞在した歴史を持つ同館は木造2階建ての和風建築で、今回のリニューアルで「シックな」内装に一新。全21室で、ツインベッドやバリアフリー設計、露天風呂付きなど多様な客室をそろえ、最大50人が滞在可能。旧旅館明治内の資料を移設した「太宰治資料館」には、手書き同人誌や資料を展示するほか、太宰治が滞在した部屋を再現したスペースも設け、宿泊客は無料で見学できる。

 食事サービスも刷新。夕食は、常磐ホテルや記念日ホテルなど温泉街の提携飲食店を利用することで、「まち全体でのおもてなし」を強化。まち歩き用のマント貸し出しや送迎サービスも用意し、旅の体験価値向上を心がける。朝食は館内レストランで地元の旬に合わせた和食バイキングを提供する。

 併設する日帰り入浴が可能な「鷲の湯」は、もともとは地元住民や観光客に親しまれてきた共同浴場で、30年ほど休業していたが、今回、完全新築し、外湯として復活した。男女それぞれ内風呂と露天風呂を備える。

 湯村温泉は開湯1200年の歴史を持ち、武田信玄の隠し湯としても知られる。古くから甲府の奥座敷として親しまれ、多くの文人墨客が訪れた。太宰治もその一人で、小説「正義と微笑」の構想を練るために同地を訪れ、旧旅館明治に滞在したと伝えられる。今回の再開発プロジェクトは、老朽化した旅館の建て替えに加え、温泉街全体の魅力を高め、観光客誘致を目指す地域経済活性化の一環。

 「旅館明治」広報担当の桐原ほのかさんは「新たに旅館がスタートすることで街全体の活性化につながり、湯村温泉街が全国でさらに有名になっていければ。近隣のホテルと連携することで、当館だけでなく、温泉街ごと楽しんでほしい」と話す。

 15時チェックイン、11時チェックアウト。宿泊料金は、大人1泊2万2,550円~。「鷲の湯」の営業時間は、7時~10時30分、15時~22時。日帰り入浴は大人1,000円。

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