富士吉田市内に拠点を置く「フリースクールたからじま」(富士吉田市富士見)が11月18日、子どもが地域の大人と出会い体験を通して学びの機会をつくる活動「ミツカル(Meets Local)」を始めた。
初回は、地域の文化に触れることを目的に「御師(おし)のいえ大鴈丸(おおがんまる)」(上吉田)を訪問。参加した子どもは、富士山信仰や御師文化の歴史について学んだ。
当日の参加者は子どもとスタッフ合わせて16人。御師の家大鴈丸家18代目の大鴈丸一志・奈津子さん夫婦が出迎え、子どもたちは約450年の歴史を持つ建物を見学。写真を見て説明を聞いたり、クイズ形式で学んだりした。後半の質問タイムでは、信仰のため富士登山をする人たちの無事を祈った御師文化の歴史や、リノベーションをしてゲストハウスを運営しながら文化継承を目指す現在の様子などを聞いた。子どもたちは後日、この日の感想をまとめた冊子を作る。
「フリースクールたからじま」代表の上田潤さんによると「ミツカル」の名前は「Meets Local(ミーツローカル)」に由来し、子どもたちにとって地域の大人との出会いが「夢がミツカル」「仲間がミツカル」「先生がミツカル」きっかけになるように命名したという。「大人たちにとっても、地域の魅力を再認識できる機会になれば」とも。
上田さんは「たからじまには、学校に行かない選択をした子どもたちや、自分のペースで学びたい子どもたちが通っている。彼らは出会いや体験の機会が少なくなりがちだが、まちに出れば、子どもの先生になってくれる大人はたくさんいるだろうと考えた。『地域丸ごと学校プロジェクト』と位置づけたこの取り組みが地域を担う子どもたちの力となり、まちの未来を創っていくことにつながれば」と期待を込める。
活動の振り返りでは、子どもたちから、「御師の家のことを知ることができて、すごいと思った」「クイズ形式で分かりやすかった」などの感想が挙がった。訪問先の一志さん、奈津子さんは「次世代に御師の家の文化を伝えていきたいと思っているので、子どもたちが実際に来てくれるこのような機会を頂けてうれしい」と振り返る。
ミツカルは今後も月1回ほどのペースで継続していく予定。上田さんは「活動に共感してくれる方、子どもたちを応援してくれる方は、ぜひ声をかけていただければ」と呼びかける。