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甲州和紙まつりで「和紙×和歌・短歌」体験企画 山梨大生が企画

山梨大学生命環境学部地域社会システム学科3年の三井幸乃さん(右)と鈴木あかりさん(左)。

山梨大学生命環境学部地域社会システム学科3年の三井幸乃さん(右)と鈴木あかりさん(左)。

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 道の駅西島和紙の里かみすきパーク(身延町西嶋)で12月5日・7日に開催された「第5回甲州和紙まつり」で、山梨大学生命環境学部地域社会システム学科3年の三井幸乃さんと鈴木あかりさんが「和紙×和歌・短歌ワークショップ」を出店した。

甲州和紙まつりで「和紙×和歌・短歌」体験企画 山梨大生が企画

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 2人は同大学田中敦ゼミに所属。ワークショップ出店はゼミ外の自主活動で、田中敦教授の支援を受けながら企画から運営までを自力で進めた。

 ワークショップは短歌ブースと和歌ブースで構成。来場者がプロフィール帳に将来の夢や個性を記入すると学生がそれをベースに短歌サポート。和歌ブースでは現代語訳した百人一首の約30首から選び、和紙のはがきに書いて装飾する体験を提供した。短歌と和歌の違いも解説し、和歌が平安時代の大和言葉中心のみやびな形式であるのに対して、短歌は明治以降の正岡子規の影響で漢語や自由表現を許す現代文学である点を伝えた。

 鈴木さんは競技かるた部で百人一首の作者の心情を探り、部長として部員と戦略を練った経験を生かして、今回の企画を計画。三井さんは高校1年の文芸・イラスト研究部で短歌と出合い、副顧問の添削で歌の情景と感情の鋭さに衝撃を受け、「牧水短歌甲子園」出場などの経験から短歌を通じた人との交流の楽しさに目覚めたという。2人は「もっと山梨と短歌・和歌を知ってもらいたい」との思いで、甲州和紙という地域資源と日本文化を融合させた。

 甲州和紙まつりは甲州和紙作品展や紙すきワークショップ、高校生の書道パフォーマンス、キッチンカー出店、ゆるキャラ登場などで3日間、にぎわいを見せた。

 三井さんは「私には短歌を作る高度な技術も、教えるためのスキルもない。しかし現代短歌への愛はある。私と同じように競技かるた部時代に『悔しい』『楽しい』と感じる経験をした鈴木と出会い、今回のプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトを一つの機会として、少しでも多くの人に『現代短歌は面白い』と感じてもらえれば」と話す。

 今回のワークショップにかかった材料費や備品代について、2人は現在、クラウドファンディングで支援を呼びかけている。

 12月31日まで。

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