山梨県が現在、社会課題の解決を目指す起業家を支援する「ソーシャルイノベーター成長支援事業」の一環として、県内5つのプロジェクトで寄付を呼びかけている。
山梨県・ふるさと納税型CF「金手駅から始まる勝利と地域のものがたり」
同事業は、山梨発のローカル・ゼブラ育成プロジェクト「YAMANASHI Impact Challenge」の一部で、社会性と経済性の両立を重視した事業に対し、共感を基に集めた寄付を活用して資金支援や広報支援などを行う仕組み。ふるさと納税制度を応用したものであり、寄付者は返礼品を受け取らない代わりに、寄付金控除の対象となる「共感型の寄付制度」として運用する。
寄付募集は5つの事業者が行う。絢捺(あやな)(甲府市酒折)は、移住者と地域住民をつなぐマッチングアプリ「リクトリ」の開発を通じ、人と人とのつながりから孤立を防ぐ仕組みづくりを進める。ハニーフリーク(上野原市秋山)は上野原市の耕作放棄地を再生するため、ミツバチの巣箱を設置し、花を植えることで自然の循環を取り戻し、地域交流の場を育む。VIVA甲府金手プロジェクト実行委員会(甲府市愛宕町)は、金手駅周辺の地域資源を活用し、スポーツや展示イベントを通じた地域のにぎわいづくりを企画。秋政商店(富士吉田市下吉田)は、創業90年の伝統を受け継ぎ、山梨唯一のかつお節専門店として「究極のかつおぶしごはん」プロジェクトを立ち上げ、食文化の継承を図る。Ken’s creative(北杜市小淵沢町)は、チーズ製造を軸に地域との連携を深める「kase LABOR」を計画している。
寄付募集の目標額は最大200万円で、寄付金から11%の掲載手数料を差し引いた金額(最大178万円)を補助金として交付。寄付を通じて、県内の社会的課題解決を目的とした事業が持続的に発展することを目指す。
山梨県新事業チャレンジ推進課の五味大輝さんは「当本事業では、地域の中で『何かを変えたい』『より良い形を作りたい』という思いを持ち、社会課題に挑戦する事業者の一歩を後押ししている。県では、補助金による資金支援や伴走支援を行うことで、挑戦が一過性で終わらず、地域に根付きながら成長していくことを目指している。今回の寄付は、単なる資金提供ではなく、事業者の思いや覚悟に共感し、その挑戦を後押しする応援の形。それぞれのプロジェクトの思いや取り組みに目を向け、山梨で生まれる挑戦をぜひ一緒に応援してもらえれば」と呼びかける。
クラウドファンディング型ふるさと納税サイト「ふるさと納税forGood」を通じ、12月31日まで受け付ける。