山梨大学(甲府市武田4)のゼミ生らが1月9日、小菅村の子ども8人(小4~中1)を甲府キャンパスに招き、キャンパスツアーや学食体験、観光をテーマにした模擬講義、研究室見学、弓道部の部活動体験などを行った。
山梨大学生、小菅村の子ども招きキャンパスツアー 模擬講義や弓道体験も
交流を企画したのは、同大学生命環境学部地域社会システム学科・観光政策科学特別コースの田中敦教授のゼミ9期生。 昨年度、同ゼミ8期生が「小菅村で『子育てしながら働く未来』を共創する」をテーマに子育て支援プロジェクトを展開し、その成果と地域との関係性を引き継ぐかたちで今回の訪問プロジェクトを立ち上げた。
ゼミ生は昨年度から、小学生22人規模で民間塾がない同村内の子どもたちを対象とする「公営塾」の学習支援にも関わり、その中で築いてきた信頼関係を元に「キャリアや生き方の多様性を伝えたい」との思いから大学訪問を企画したという。
子どもたちは甲府キャンパス到着後、工学部エリア周辺を散策し、コンビニや校舎が立ち並ぶ大学の環境に「自分が通ったら…」と想像を膨らませながらキャンパスマップで現在地を確認するなど、学生の案内でキャンパスツアーを楽しんだ。 昼食は学生食堂で、それぞれが好きなメニューを選び、大学生に混じって食事を体験した。
午後は、田中敦教授による「観光とは何か?」をテーマにした模擬講義を受講。子どもたちは「小菅村の魅力やお薦めの場所」について積極的に発言し、AIを使ったリアルタイムの観光プロモーション画像生成にも挑戦するなど、デジタル技術と観光を組み合わせた学びに触れた。
続いて、同学部生命工学科・山村英樹教授の案内で、微生物資源研究フロウティラを見学し、ノーベル賞受賞者・大村智さんの研究について説明を受けた。実際の研究機器や培養サンプルを間近に見て、研究現場の雰囲気を体感した。
その後、大村智記念学術館を訪れ、中村和彦学長から歓迎と激励の言葉と、大村さんが大切にしてきた「至誠惻怛(しせいそくだつ)」「恕(じょ)の心」などについて話をした。
最後のプログラムでは、田中ゼミの学生が所属する弓道部を見学。はかま姿の部員が弓を引く姿に「自分もやってみたい」と目を輝かせ、練習用のゴム弓を使って射法の難しさを体験する場面もあり、大学生との交流は盛り上がった。
参加した子どもたちからは、「とても楽しかった」「将来は山梨大学に入学したい」「高校で弓道をやって山梨大学の弓道部に入りたい」などの声が聞かれたほか、生命工学の研究に刺激を受け、「研究者になりたい」と話す子どももいた。学生たちは「子どもたちの笑顔と充実感に触れながら全行程を終えられたことに安堵(あんど)している」と話す。
同ゼミは今後、小菅村で働く多様な大人たちへのインタビューなどを通じて、「二地域居住」「関係人口」、リモートワークや複業といった新しい働き方、子育てのリアルなどを多角的に学ぶプロジェクトを計画している。