
障害当事者とつくる共生型イベント「ぽかぽかマルシェ」が10月19日、フォレストアドベンチャー・フジ(河口湖町船津)で開催される。
共生型イベント「ぽかぽかマルシェ」開催へ CFで協力呼びかけ
「ぽかぽかマルシェ」は障害の有無や年齢、病気やさまざまな背景を持つ人々が企画・運営段階から関わることを目指すイベント。会場で購入したものを加工できる「お食事ブース」や、車いすでも入れるユニバーサルトイレ、横になれる休憩場所を設けるなど、多様なニーズに対応する工夫を凝らす。
同主催は障害児家族の余暇支援団体「ぽかぽかキャンプ」。代表の市川遥奈さんが特別支援学校での教員経験から「休日を同じ過ごし方で過ごすしかない」という保護者の声に心を痛め、障害があることで選択肢が狭まる現状を変えたいという思いから、障害のある子どもと家族が自然の中で安心して過ごせる場として10年前に始めた。キャンプでの経験を通じて生まれた「できることを、できる時に」という考え方は、現在のマルシェにも受け継がれる。マルシェでは「支援する側、される側」という関係性をなくし、関わる全員が対等な仲間としてイベントをつくり上げる。
空間全体のユニバーサルデザイン設計やアウトドア車いす支援はFuzi「八ヶ岳観光デザイン室」(長野県富士見町)が手がけ、ソーシャルグッド分野の映像制作を得意とする映像制作会社「KIRIN」(甲府市富竹)は「思いと場の魅力を可視化する」役割を担うなど、多様なメンバーが同プロジェクトを支える。
障害者権利条約のスローガン「Nothing About Us Without Us(私たち抜きで私たちのことを決めないで)」を大切に、「誰もが自分らしく関われる場を地域に広げること」がプロジェクトの目標。マルシェでは障害児が「チャレンジスタッフ」として出店を手伝うなど、社会との接点を生む機会も提供。多様な人々が共に育ち合う社会の実現に向け、イベントをきっかけとして「みんなでみんなの優しい社会をつくる」仲間を増やすことを目指す。
市川さんは「『誰かの一工夫が、誰かの安心や喜びにつながっていく。そんな、温かくて小さな共生のまちのような風景を地域の中に育てたい』という私たちの願いと、『一緒にやってみたい』というたくさんの声が込められている。一緒に、優しくて、温かい社会をつくる仲間になっていただければ」と話す。
開催に向け9月21日まで、クラウドファンディングで支援を呼びかけている。
開催時間は11時~16時。入場無料。