特集

FCふじざくら山梨が富士桜高原麦酒とビールを開発
選手がアイデアを出し、仕込みやボトル詰め作業にも参加

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 富士観光開発(山梨県南都留郡富士河口湖町)が醸造・販売する「富士桜高原麦酒」となでしこリーグ2部所属の女子サッカーチーム「FCふじざくら山梨」がタイアップして、フルーツサワーエールを開発し、5月16日に販売を開始した。

出口春奈選手、成迫実咲選手、辻野友実子選手、大森みさき選手、米澤萌香選手が参加

  ビールの名称は「サクラノトリコ ALE(アレー)」。FCふじざくら山梨の選手と共同開発・醸造した限定ビールで、コンセプトは、「普段ビールを飲まない女性でも飲みやすく、ビール好きな人にも楽しんでいただける味わい」。

 2025年3月14日に行った打合せには、出口春奈選手、成迫実咲選手、辻野友実子選手、大森みさき選手、米澤萌香選手が参加し、富士桜高原麦酒の山本副醸造長が用意した20種類以上のフルーツ果汁をブレンドして試飲し、理想のビールの味わいを探求した。

5人の選手はさまざまな果汁を試飲した

 

 選手たちが気に入った果汁は、濃厚なコクと甘味から柑橘の大トロとも呼ばれる「せとか」、爽やかで癖になる苦みを持つ「甘夏」、コクのある濃厚な甘さとスッキリした酸味で芳醇な香りの「ブラッドオレンジ」、すっきりと甘酸っぱい「アプリコット」の4種類。

 醸造するビールはこの4種の果汁をブレンドしてつくることを決定した。

4/8仕込み作業

 

 富士桜高原麦酒の山本副醸造長が、暖かい陽気の日に外で飲みたくなるような、初夏から夏にかけて爽快に楽しめる軽やかな飲み口とジューシーな果実感あふれるフルーツサワーエールに仕上げた。

 フルーツサワーエールは、麦汁をアルコール発酵と一緒に乳酸菌で発酵させたビールで、ヨーグルトのような酸味が特徴。さらにフルーツ果汁が加わることでフルーツ由来の風味と甘酸っぱさが加わった「サクラノトリコ ALE(アレー)」が誕生した。

ビールの名称「サクラノトリコ」は選手たちが命名

 富士桜高原麦酒とFCふじざくら山梨のコラボビールは、今回が第2弾となる。

 第1弾は、2024年9月に、山梨県の桃農家が育て加工した桃果汁を使用し、FCふじざくら山梨のチームカラー「ピンク色」で、ベルギー発祥の伝統的な製法をベースに果実や果汁を加えて醸造される「ベルジャンスタイル」のフルーツビールを両者の連携で開発した。

 FCふじざくら山梨サポーターのほか、クラフトビールファンからも好評で、今回の第2弾を販売することになったという。

 ビールの名称「サクラノトリコ」は、FCふじざくら山梨の選手たちがビール名称を決める際、第1弾で使用した桃果汁から、桃の花言葉「わたしはあなたのとりこ」という意味から、コラボビールを飲んで「FC ふじざくら山梨」のファン、そして『ふじざくらのトリコ』になってほしいという願いが込められているとのこと。

富士桜高原麦酒×FCふじざくら山梨 コラボビール『サクラノトリコALE』

「アレー」にはフランス語で「行け!」「頑張れ!」という意味も

 第2弾の「サクラノトリコ ALE(アレー)」のアレーは、ビールの種類であるサワーエールの「エール(ALE)」を英語表記にし、読み方はフランス語の「アレー(Allez)」という言葉から取り、表記と読み方を掛け合わせた。

 アレー(Allez)はフランス語で“行け!”“頑張れ!”という意味があり、FCふじざくら山梨を応援する時に飲んで欲しい、応援する全ての人と共に味わいたい、応援してくれる方に感謝を伝えたいという思いを込めてネーミングされた。

 販売は、5月16日より、富士桜高原麦酒 醸造所併設の「シルバンズ カフェ&ショップ」やインターネット通販(楽天市場)、山梨県内の一部スーパー、コンビニエンスストアなどで開始する。

 また、5月25日のなでしこリーグ2部 第12節「ディオッサ出雲FC」戦以降のホームゲームの際に、富士桜高原麦酒キッチンカーで販売している。

 今回のコラボビール「サクラノトリコALE」の売上の一部は、FCふじざくら山梨の強化費に充てられる。

企画に参加した「FCふじざくら山梨」選手のコメント

前列左から 辻野友実子選手、成迫実咲選手、大森みさき選手、後列左から 出口春奈選手、山本副醸造長、米澤萌香選手

○辻野友実子(背番号16)
柑橘系のビールなので、パッと見た時に柑橘系と分かっていただけるようなラベルデザインにしました。せとかのオレンジ色と甘夏の薄い黄色、ブラッドオレンジ濃い赤めのオレンジ、そしてふじざくらカラーの水色を取り入れたラベルです。ぜひ買っていただけると嬉しいです!

◯出口春奈(背番号1)
自分たちでこんなビールにしたいとよく考え、想いを込めたビールです。実際出来上がったのを見てとても感動しています。

◯大森みさき(背番号23)
初めてのビール造りは、造る過程から楽しく、出来上がったのを見た時はとても嬉しかったです。暑い夏にピッタリの味になっています!ぜひたくさんの方に飲んでいただきたいです!

◯米澤萌香(背番号33)
コラボビールに初めて関わらせていただいて、とてもワクワクしていました。みんなで案を出し合い納得のいくビールが造れたと思いますし、辻野選手デザインのラベルはとっても可愛く、沢山の人に手に取っていただきたいビールとなっています。

◯成迫実咲(背番号15)
第一弾とは違い今回はすっきりした柑橘系の味です。柑橘ならではの飲みやすいビールになったのではないでしょうか!今回も富士桜高原麦酒の協力のもと、仕込みや初めてボトル詰め作業も行い、醸造所の中で作業するのは何歳になってもワクワクするなと思います。第三弾もぜひお願いします!

山本副醸造長は「女性の意見を取り入れたビール醸造へチャレンジした」とコメント

 山本副醸造長は「FCふじざくら山梨とのコラボビール第2弾が発売できることを大変うれしい。選手からの要望である『ビール好きの方はもちろん、女性の方やビールが苦手な方にもおいしく味わっていただけるビール』を目指し、選手が好んだ柑橘系果汁4種を最大限活かすべく、ベースとなるビールの種類には『フルーツサワーエール』を選んだ。サワーエールの特徴であるヨーグルトのような酸味と柑橘系果汁の風味を活かすため、ラクトース(乳糖)を加えることでコクと適度な甘みが加わり、バランスの良いビールに仕上げた」と話す。

 また、「女性の意見を取り入れた新たなビール醸造へチャレンジする機会となった。日頃、富士桜高原麦酒をご愛飲いただいている方にも、FCふじざくら山梨のファン、サポーターの皆さんにも味わっていただき、それぞれのファン・トリコになっていただけたら」とコメントしている。

【商品概要】
商品名:富士桜高原麦酒 サクラノトリコALE(アレー)
発売日:2025年5月16日(金)

富士北麓公園・富士山の銘水スタジアムで発売
※6月15日(日)韮崎中央公園陸上競技場
※6月21日(土)小瀬スポーツ公園・JITリサイクルインクスタジアム

アルコール度数:4.5%  IBU:12.8
内容量:330ml瓶  希望小売価格:660円(税込)

 オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/fujizakura/

ラベルは辻野友実子選手がデザインした

富士桜高原麦酒とは

富士桜高原麦酒は、富士山から十数年の歳月をかけて湧出する貴重な伏流水を使用し、ドイツでも数少ない国家認定校「デーメンス醸造専門学校」で培った醸造技術で造るビール。原料の多くはドイツより輸入した、モルト100%のビールで、濾過しないため、生きた酵母が多く含まれ、ビール本来の味と香りが楽しめる。

富士桜高原麦酒 定番ビール(ピルス、ヴァイツェン、ラオホ、シュヴァルツヴァイツェン)

所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町船津字剣丸尾6663-1
問い合わせ:TEL 0555-83-2236
HP:https://www.fujizakura-beer.jp/

女子サッカーチーム「FCふじざくら山梨」とは

なでしこリーグ2部「FCふじざくら山梨」

 FCふじざくら山梨は、「プレーイングワーカー」というコンセプトのもと「競技者としても一流、社会人としても一流」を目指し、なでしこリーグ参入を目標に、山梨県・鳴沢村を本拠地に2018年11月に発足した女子サッカーチーム。

 スポーツを通じた地域貢献にも力を入れている。選手とスタッフが地域の街道でゴミ拾いを行う清掃活動を定期的に実施することで、地域住民との交流や環境意識の向上にもつながっている。また、地元企業や農家と連携した商品開発にも積極的で、女子選手と富士吉田市の若手起業家によるコラボおにぎりの開発も行った。

 選手たちは地元の保育所や小学校、地域イベントなどでサッカー教室や講話、ふれあい活動を実施している。特に女子児童・生徒を対象としたスポーツ体験を通じて、「女性がスポーツを通じて自信を持つ社会」の実現を目指している。また、選手は地元企業で働きながら競技を続ける「デュアルキャリア型クラブ」として活動していて、働きながらプレーするというライフスタイルのロールモデルとして、地域の若者に新たなキャリアの可能性を示している。

 こうした社会参加型のチーム運営のスタイルが、地域活性化とスポーツの新たな関係性を提示するものとして注目を集めている。

 2024年シーズンはなでしこリーグ2部で3位という好成績を収めたFCふじざくら山梨。2025年シーズンは、さらなる高みである「なでしこリーグ1部昇格」という明確な目標を掲げてリーグ戦に挑んでいる。

 ホームゲームは、富士山の銘水スタジアム(富士北麓公園陸上競技場)をはじめ、JITリサイクルインクスタジアム、韮崎市中央公園陸上競技場などで開催され、多くの地元ファンが熱い声援を送る。

 ピッチでの情熱的なプレーと、地域社会への真摯な貢献。FCふじざくら山梨の挑戦は、山梨県全体に勇気と活力を与えている。彼女たちの今後の活躍、そして地域と共に描く未来図から目が離せない。

FCふじざくら山梨
https://www.fujizakura-sc.jp

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