甲府市中央の新川時計店跡のシェアスペース(甲府市中央1)の一角に6月1日、学生が主体となるコーヒースタンド「Kanin Coffee(カニンコーヒー)」がオープンした。
甲府まちなかエリアプラットフォームが新拠点 学生発コーヒー店も
運営するのは、甲府まちなかエリアプラットフォーム(AP)が手がけるシェアスペースの入居者で、同スペースは空き店舗を活用したエリアリノベーションの一環として展開しているもの。長らく空いていた店舗を暫定的にシェア拠点として活用し、クリエーターや小規模事業者が集まる場として再生を図る取り組みで、甲府中心街のにぎわい創出を目的とする。
APは、民間事業者や個人、行政、専門家が連携してまちなかの活性化に取り組む組織で、既存の建物や資源を生かしながらエリア全体の価値を高める「エリアリノベーション」を推進。今回のシェアスペースもその一環で、デスク利用や小規模出店が可能な機能を備え、複数の入居者が日中に開かれた空間を共同で運営する仕組み。入居者は交代で店番を担い、来訪者への案内や情報発信も行うことで、単なる作業場にとどまらない地域の接点として機能させるという。
カニンコーヒーは、山梨県立大学4年の千野弘暉さんが営むコーヒースタンドで、来街者や近隣住民との接点を持ちながら、日常的な交流の場としての役割も担う。
千野さんは、以前はコーヒーに全く興味がなかったが、2023年冬ごろに大学近くのカフェを訪れたことがきっかけにコーヒーに興味を持つようになったという。2024年11月、学園祭に出店することを決め同カフェの店主からコーヒーを学んだ。その後、大学教員の紹介で大勢の大人に出会う機会があった。その際、「自己表現できるものがコーヒーしかない」と決意し、2025年からマルシェやイベントなどに出店するようになった。今回は大学職員から紹介を受け、出店を決めた。店名の由来は「古事記」に載っている出雲神話の一つ「因幡の白兎(うさぎ)」で、物語の最後には良いつながりを生んでくれる象徴の「ウサギ」をノルウェー語で名付けたという。
メニューは、オリジナルブレンド(580円)と日替わりブレンド(550円~)の2種類を用意。今後、メニューを増やしていく予定。
オープン日に来店した30代会社員男性は「若い人がまちに居るだけで雰囲気が変わる。若い勢いがまちを盛り上げてくれると期待している」と話していた。
千野さんは「この場所でやる意味は、まちで学生が挑戦する土壌を耕したい。これをきっかけに若い人が未来を描けるような先進的な事例になれれば」と意気込みを見せる。
営業時間は11時~19時(金曜は18時~23時)。月曜・水曜定休。