
カフェ&バーとグローサリーを併設した複合型ホテル「horn(ホルン)」(甲府市中央2)のカフェ&バーとグローサリーが9月12日、先行オープンした。
経営する中込勇斗さんと平田なつさん夫婦は共に山梨県出身。中込さんは山梨県南アルプス市生まれで現在31歳。大学進学を機に移住し、複数の会社でディレクターとして勤務。2022年に独立し、飲食や宿泊、セレクトショップなどの企画・ブランドづくりに携わった。平田さんは甲府市生まれで現在29歳。小学校教師を目指し、大学進学を機に上京。新卒で都内飲食企業に入社し、店舗運営や人事、広報やプロジェクトマネジャーなどの業務に携わる傍ら、都内のホステルでダブルワークを行っていた。2人は2023年に出会い、山梨での原体験と東京での課題意識を共有したことをきっかけに、地元での新たな挑戦を決意。2024年、共に山梨へ戻り、物件探しや資金調達を経て現在に至る。
甲府駅南口から徒歩約8分、舞鶴城公園の東南角に位置する3階建て(各階100平方メートル)の建物を活用した同施設。築60年の建物を改修し、宿泊・飲食・物販など複合的な機能を備える。1階にはカフェ&バーとグローサリーを併設。立ち席を含め24席を用意する。カフェでは中国茶(600円~)やハーブティー(600円)、地元果物を使ったクラフトドリンク(600円~)、あんこチーズケーキ、プーアルパンナコッタ(以上600円)などのデザートと共に提供する。バーでは山梨県産のワインやビール、ノンアルコールドリンクや「サンラーウフマヨ」(400円)、「おいもゼッポリーニ」(600円)、「台湾まぜ麺」(1,200円)など、食料品店「諸国調味料探訪」のようこさんが監修したフードをそろえる。グローサリーでは山梨ワインや加工食品、調味料など、地域に根差した生産者による食品を販売。2階は将来的にギャラリーやレンタルスペースとして活用する計画。3階は個室3部屋を設ける宿泊施設で、11月下旬にオープン予定。
中込さんは「『地元山梨に、年齢や性別、生まれ育った環境に左右されず、多様な価値観や文化に出合える場をつくることはできないか』という思いが私たちの原点。自分の生きる環境に違和感を持つ人がいたときに、ホルンが山梨に足を踏み入れる入り口となり、健やかに生きることを考える一つのきっかけになれたら」と話す。
2人は「人やモノ、文化が行き交う港のような場を甲府につくりたい」と現在、クラウドファンディングで支援を呼びかけている。9月暫定時点で221人から約445万円の支援を集めた。集まった資金は厨房や空調設備、客室設備などに充てる。9月30日まで。
営業時間は13時~22時。月曜・火曜定休。