
やまなしラボ(甲府市)が3月4日、「五穀豊穣を祈るつながる田んぼプロジェクト」を始めた。
やまなしラボは代表の飯島正剛さんが「やってみたい気持ちをかなえる場、経験できる場づくり」を目指して2020年9月に立ち上げた。観光農園でブドウや桃を栽培していた飯島さんは、近所の子どもたちに収穫体験をしたことがある子どもが少なかったことを知り、「食×農」をコンセプトに農業体験やしめ縄づくりワークショップなどを企画してきた。
同プロジェクトは甲斐国総社甲斐奈神社と市民活動団体との共催で、バケツ稲づくりを通じて自然の恵みに感謝し、食・環境・地域・人とのつながりを深める取り組み。日本の伝統的な農業と神事を結びつけ、現代的な形で再解釈したもの。参加者は、神職が祈とうしたバケツ稲キットと一粒万倍米お守りを受け取り、自宅のベランダや庭で稲を育てる。都市部に住む人々も手軽に農業体験ができ、食育や環境教育の機会を創出するという。種は、北杜市高根町の五百川品種を使う。
栽培中、参加者はオンラインとオフラインの交流を通じて全国の参加者と成長記録をシェア。収穫祭やオフ会に参加し、実際のつながりを築く。収穫後は神社で「収穫感謝祭」を行い、参加者全員で収穫を祝う。
飯島さんは「米には無駄なところがない。宮司の話を聞いたり普段は聞けないような話を聞くことで神社の習わしに関心を持ってもらったり、食育を家で気軽に学べたりする機会。日本の文化と食に多くの人が触れてもらえるきっかけになれば」と話す。
参加プランは、個人プラン=1,000円~、企業・事業主向けプラン=1万円~を用意する。ウェブで受け付ける。4月末まで。