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山梨県立大で映画「プリズン・サークル」上映会 対話による更生描く

市民サークル「哲学カフェすみっこやまなし」代表の井上智恵子さん。

市民サークル「哲学カフェすみっこやまなし」代表の井上智恵子さん。

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 ドキュメンタリー映画「プリズン・サークル」の自主上映会が12月12日・13日、山梨県立大学飯田キャンパス(甲府市飯田)で開催される。主催は市民サークル「哲学カフェすみっこやまなし」。

哲学カフェすみっこやまなし 3周年企画 映画「プリズン・サークル」上映会

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 同作は、島根県にある官民協働の刑務所を舞台に、受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促すプログラムを記録したドキュメンタリー作品。TC(Therapeutic Community=回復共同体)というプログラムで受刑者たちは対話を重ね、犯した罪だけでなく、自身が経験した貧困、いじめ、虐待、差別などの記憶などにも向き合っていく。2年にわたる撮影で、対話を通じて受刑者たちの内面が揺れ動き、変化してく様子を描いている。

 上映会を企画した市民サークル「哲学カフェすみっこやまなし」は、「隅っこでも一緒に考えてくれる人と出会えるような、フラットに対話し考えられる場を山梨に住んでいる人たちと作りたい」という思いで2023年に活動を始め、現在は月2回ほど哲学カフェを開いている。過去には「どこからうそになる?」「納得するってどういうこと?」「どうして『ねばならない』って思っちゃうんだろう?」などのテーマで、参加者がフラットに話し、聞き合い、共に考える時間を過ごした。周年企画として毎年1回自主映画会を開催しており、今回は3回目。

 代表の井上智恵子さんは「自主上映会を開催する理由は、哲学カフェよりももっと気楽に、より多くの方に、少し立ち止まって考える機会を作れると思ったから」と話す。「哲学カフェは、参加者がフラットに話せるセーフティーな場を意識している。対話のためにはテクニックの巧みさよりも、たどたどしくても言葉にする機会と、きちんと聞いてもらえる環境が大切だと思っているから。今回の映画は刑務所を舞台に、受刑生たちの対話プログラムを取り上げた映画。自分とはかけ離れた人たちの映画だと思われてしまいそうだが、一人一人が対話を重ね、壮絶な過去と向き合い変化していく様子に、決して人ごとではなく、対話を重ねていくことの重要性を感じた。ぜひ多くの方に見ていただき、一緒に考える機会になれば」と期待を込める。

 13日13時からの上映後には約1時間の対談も行う。対談ゲストは上映映画監督・坂上香さんと、山梨県立大学特任教授で日本子ども虐待防止学会理事の西澤哲さん。関連イベントとして、12月5日19時から春光堂書店(甲府市中央)で坂上香監督の著書「根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ」の読書会を開く。

 開催時間は、12日=18時~20時15分、13日=9時30分~11時45分・13時~15時15分。前売りチケットは、一般=1,000円、学生=500円で、対談付きは、一般=1,800円、学生=1,000円。ウェブと甲府市内の数店舗で扱う。定員に達しなかった回は当日券も販売予定。

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