
KEIPE(甲府市丸の内1)が5月2日、石和温泉駅前でジェラート・干し芋の工場と直売所「nouto(のうと)」(笛吹市石和町駅前5)を開業する。
KEIPEは2017(平成29)年設立、従業員約130人。「障害を特別なものにせず、誰もがそこに居ていい社会」を目指し、障害者の就労支援や飲食、資源循環、マッチングプラットフォームなど多様な事業を展開する。地域商社事業も展開し、今回の新施設は「企画で規格を超えていく」をテーマに、規格外品も正規品と同様に積極的に活用し、「農家が安心して作物作りに専念できる環境づくりを目指す」という。生食用販売から加工品の開発まで責任を持ち、畑で生まれた農作物を余すことなく生かし、地域に還元することを掲げる。
同社は2020年に地域商社事業を始め、2024年6月~10月にはふるさと納税やECサイトを通じてフルーツ総量100トンを出荷した。
新施設では、砂糖不使用のドライフルーツ、隣接工場で製造する糖度60度の国産サツマイモの干し芋、国産フルーツと牛乳のジェラート、乳製品を使わないフルーツベースのソルベ、新鮮な桃やブドウなど正規品・規格外品を扱う。山梨県内の農家から正規品・規格外品の両方を直接仕入れ、「顔の見える関係」を重視。昨年は何百キロもの桃を買い取った農家から「(それまでは)傷物を全部近所に配っていた」と感謝され、紹介の輪が広がったという。
施設はガラス張りで、子どもも見やすい設計にした。働く大人の姿やフードロス削減の現場、農作物が加工される過程を見学できる。
地域商社事業部長の飯室和希さんは「規格外の桃を販売した際、予想以上の反響があり、生産者と消費者の間に眠る可能性に気づいた。加工・販売の場を設けることで、より多くの農家と共に全ての作物に価値を作り、畑から消費者の手元までつなげたい」と話す。