
山梨県立文学館(甲府市貢川1)で7月20日、「ZINEフェスティバル2025」が開催される。
同館では2022年夏、明治・大正期の文芸雑誌から現代のZINEまでを紹介する特設展「文芸雑誌からZINEへー古今同ZINE誌」の会期中に「ZINEフェスティバル」を初めて開催し、以降、継続的に開いてきた。
ZINEは個人やグループが自らの文章、イラスト、写真などを自分の好きな表現方法で制作する小冊子で、商業出版とは異なる視点や自由度の高さが特徴。特に若年層を中心に注目を集めている。
同フェスは、自由な発想で制作されるZINEを通じて、県民に文学や創作への関心を促すのが目的で、今回で4回目となる。同館が収蔵しているZINE544冊のうち、県内の大学や専門学校の学生が制作したZINEのほか、郷土料理や農業、NPOや地域おこし協力隊の活動を紹介するZINEなど約400点を展示する。
今回は初の取り組みとして、ZINEを紹介する出展者を募集している。個人、グループ、プロ・アマを問わず応募でき、1組当たり最大3タイトルまで出品できる。無料配布のみで、販売はできない。先着10組を受け付ける。
開幕前日の今月19日には、ZINEの研究・制作場所作りやリリースを行う「ZING(ジング)」を主宰する吉田朝麻さんを招き、「小さな本ZINE作り教室」を開く。
同フェスを担当する佐藤凌瑚さんは「ZINEは作り、発信するのに手間がかかるが、その分、味わいが深い媒体とも言える。一般書店では流通していないものばかり。好きで作っている人がいることを知り、自分が知らない世界に出合える機会になるのでは」と話す。
開催時間は10時30分~16時。入館無料。