山梨平和ミュージアム(甲府市朝気1)で4月19日、NPO法人「世界ヒバクシャ展」の安在尚人さんと森下美歩さんが、写真プロジェクト「旅するヒバクシャ」について講演と意見交換を行う。
山梨平和ミュージアムで「旅するヒバクシャ」講演 平和を考える場づくり
世界中で被爆や核被害を受けた人々の証言を伝えてきた同NPOは、原爆や核実験、原発事故、ウラン鉱山、劣化ウラン弾などによる被害の現場を6人の日本人写真家が撮影し、国内外で写真展を重ねてきた。
長崎原爆投下から78年を迎えた2023年には北杜市で企画展も開いた。活動の中で、被爆体験を持つ人々の高齢化が進み、経験をどのように次世代へ引き継ぐかが課題となる中、同NPOは2030年までの5年間で世界の学校1000校に写真を届ける「旅するヒバクシャ」プロジェクトを立ち上げた。プロジェクトでは、原爆や核被害の写真パネルを各地の学校に送るだけでなく、生徒や学生が写真を見て感じたことをオンライン上で投稿し合う多言語プラットフォームを整備し、地域や世代、立場を超えた交流や平和への行動につなげる構想を掲げる。
当日は、これまで展示してきた写真を紹介する映像を上映し、その後、参加者と共に身近な場から取り組める平和のアクションを考える時間を設ける予定。
同館は2007(平成19)年に開館して以来、甲府空襲や山梨の戦争の歴史を伝える資料を収集・展示してきた施設。1階では「甲府空襲の実相」「甲府連隊の軌跡」、2階では石橋湛山の歩みに関する常設展示を行い、平和学習の場として学校や市民団体の見学も多い。甲府市は1945(昭和20)年の甲府空襲で市街地の7割近くを焼失した歴史を持ち、同館はその経験を踏まえた平和資料館として、戦争体験を語り継ぐ講演会や証言映像の上映を継続してきた。
同NPO理事の安在尚人さんは「平和を目指す人たちの活動は多様だが、その思いは共通している。大切なのは、その活動がさらにつながり合うこと。世代を超え、国境を越えて新しいムーブメントが起きれば、世界は違う方向に歩み始めるはず。市民の力は微力でも無力ではない。私たちはむしろ、市民こそが最も大きな力を持つと信じている。今年スタートする『旅するヒバクシャ』プロジェクトは、その思いを形にする挑戦。核廃絶には国際交渉も必要だが、それだけでは足りない。一人一人の心に平和が生まれてこそ、核のない世界は実現する。世界の学校にヒバクシャの写真を届け、若者たちが感想や気づきを共有できる多言語プラットフォーム『レゾノ(響き合い)』。分断を生むSNSから、響き合いを生む新たな世界共通の場へ、その歩みをいよいよ始める」と思いを込める。
開催時間は12時30分~17時。参加費は、大人=300円、中・高・大学生=200円、小学生以下無料。