地域で活躍する100人を通じて、人と人、人と地域をつなぐ「100人カイギ」が山梨県内で広がってきている。2025年2月には甲府市で初の開催が決定。地域の魅力向上や地域課題の解決に向き合いながら、未来を切り開く対話の場がどのように展開されるのか注目が集まっている。
100人カイギは、日本全国で展開されている地域活性化イベントの一つ。地域で活動する100人の多様な人々を紹介する取り組みだ。毎回、5人のゲストスピーカーが登壇し、自身の活動や地域への思いを語る。継続的に開催することで、地域コミュニティを広げ、新たなつながりを生むことを目的としている。
「100人の話を聞き、100人が集まったら解散する」という独自のルールのもと、地域社会をつなぐプロジェクトとして全国各地で実施されている。
地域を舞台に、多様な個人のストーリーを共有し合い、新たなつながりや発見を生む場を提供する。地域課題に取り組みながら未来への展望を語り合い、地域コミュニティが持つ潜在的な力を引き出すことを目指している。
山梨県内では、笛吹市で始まり、地域ごとに特色ある展開が進んでいる。
1)笛吹市100人カイギ
2023年6月にスタートし、2025年1月11日まで全20回を開催。さまざまなテーマで、地域の新たな魅力を掘り起こしている。
https://100ninkaigi.com/area/fuefuki
2)甲斐市100人カイギ
2024年12月にvol.1を実施。新しい住宅地や商業エリアが増える中で、地域住民の交流を深める試みが始まった。
https://100ninkaigi.com/area/kai
3)甲府市100人カイギ
2025年2月5日にキックオフ。山梨県の県庁所在地から幅広い層の担い手による地域の価値ある活動を発信する。
https://100ninkaigi.com/area/kofu
4)北杜市100人カイギ
2025年3月にスタート予定。北杜市の豊かな自然環境を生かした取り組みの共有に注目が集まる。
笛吹市100人カイギは、2023年6月にスタートし、2025年1月11日にファイナルを迎える。
20カ月間で20回のイベントが開催され、18歳から85歳まで延べ800人以上の参加者が集い、地域をつなぐコミュニティの輪が広がってきた。
地元特産のワイン文化や観光資源、教育や女性活躍など、さまざまなテーマのプレゼンテーションで、地域の新たな魅力を掘り起こし、人と人、人と地域をつなぐきっかけとなる場をつくってきた。
最終回となるファイナルイベントでは、「100人でほうとうを食べよう」という企画も行われ、地元野菜を使用した特製ほうとうを振る舞う。
笛吹市100人カイギの代表発起人の榊原よしさんは、「山梨県初の100人カイギとして笛吹市からスタートし、甲府市や北杜市など他地域への展開を見届けることができて嬉しい。これまでの800人との出会いに感謝している」と語る。
地域をつなぐ架け橋となったこの取り組みは、次に続く県内展開のモデルケースとなっている。
甲府市100人カイギは、山梨の中心地である甲府市ならではの多様性を活かし、地域社会の未来を形作るプラットフォームを目指している。地域を舞台に活動する100人の話を通じて、クロスジャンルで新しいつながりを生み出す場を提供する。
「100人カイギ」の特徴は、肩書きや属性に関係なく、人々が「想い」でつながること。ゲストとして登壇するのは地域で活躍する個性的で魅力的な人物で、それぞれの話が新たなインスピレーションや協働のきっかけを生み出している。
甲府市100人カイギでは、企業、教育、アート、地域活動、行政など、さまざまな分野で活躍する人々を一堂に集め、意見交換やコラボレーションの場を創出する「多様な分野の交流促進」、参加者同士のネットワークを通じて、甲府市の魅力向上や、課題の解決策を共有して、実行に移すための基盤を築く「地域課題への具体的なアプローチを共有」、若者や移住者が甲府市の魅力を知り、積極的に地域活動に参加できる仕組みづくりを進める「次世代に向けた学びと育成の場づくり」などの軸で、対話の場づくりを進めていくという。
地域の未来を切り開くプラットフォームとして、多様な人々が集まり、交流し、互いに学び合う場を提供することで、地域に活力をもたらすことを目指す「甲府市100人カイギ」。
毎回の登壇者は、7人のキュレーターチームの対話で決まる。地元のさまざまな分野で活躍するメンバーで構成されており、甲府市の未来を見据えた取り組みを発信していくという。
キュレーターは、代表発起人の河西和奈さん(山梨タンク)のほか、遠山博美さん(やまなし地域づくり交流センター/テレビ山梨)、石川愛さん(甲斐labo)、北村成志さん(civetta)、桐山祐輔さん(ジブラボ)、伊藤圭さん(甲府市役所)、中嶋春日さん(石友/HALE PROMOTION)が担当する。
「甲府市100人カイギ」の第1回は、「甲府愛あふれる人」をテーマに、山梨県立やまなし地域づくり交流センター(甲府市丸の内2)で2025年2月5日(水)に開催される。参加費=1,000円(事前登録制)。
登壇するゲストスピーカーは、
雨宮潔さん(株式会社岡島代表取締役社長)
荻原聖斗さん(甲斐LABO代表)
千野将さん(株式会社プライムフレーズ代表取締役社長)
黒沢玲那さん(株式会社澤田屋取締役)
土橋克己さん(甲府市 産業部 産業総室ふるさと納税課)
それぞれの活動や人生のストーリーが10分間のプレゼンで共有され、参加者同士の新たなつながりを生むきっかけとなるだろう。
https://kofu-100ninkaigi.peatix.com/
100人カイギは、地域をつなぐ架け橋となるため、甲府市に住む人、働く人の多様なストーリーを共有し、新しい出会いや気づきを生む場づくりを目指している。
河西さんは、「山梨で100人カイギの火を灯したよしさん(笛吹市100人カイギ代表発起人)の思いを引き継ぎ、甲府でも新たな出会いと物語の始まりを見届けたい。この2月、甲府の地で始まる100人の声が、まちの未来を照らす光となることを願っています。一人ひとりの想いが重なり、甲府に新しい風を吹き込む瞬間を、一緒に創り上げていきましょう。」と話している。
甲府市100人カイギは、地域の未来を考えるステップとなるだろう。山梨県全体に広がるこの新しいコミュニティの流れが、どのように地域を変えていくのか。その第一歩が2月に幕を開ける。
甲府経済新聞では、甲府市100人カイギのメディアパートナーとして、未来をつなぐ対話の場づくりの取り組みにフォーカスしていきたい。