甲府の稲積神社(甲府市太田町)で5月2日~5日、「正ノ木祭り」が行われた。
甲府・稲積神社で「正ノ木祭り」 200店超の模擬店と植木市に延べ8万人
農業の神の祭り「正ノ木さん」の名で親しまれている同祭りは「大神さん」「厄地蔵さん」に並ぶ甲府三大祭りの一つで、同神社の年に一度の例大祭。江戸時代から続く祭りで、当時は「多くの人でにぎわい、たくさんの金が動いた」ことから「せんりょう(千両)祭り」と呼ばれていたという。
同神社は農業振興の神で、かつて祭りへは農家が五穀豊穣(ほうじょう)を願って苗や種を購入し、農作業を始めたという。今ではその苗や種を買いに来る農家の姿はすっかり減り、植木や花が中心の植木市となった。神社周辺の農業に関わる店も現在は1軒ほどになったが、元々、遊亀通りには種や苗を売る店や農機具を販売・修理する店がそろっていた。「さあ腰を上げて農作業を始めるぞ!」から「どっこいしょの正ノ木さん」と名付けられたという。
期間中、B級グルメをはじめとする200店舗以上の模擬店と植木市が出店し、昔ながらの射的や輪投げも軒を連ねた。大道芸やダンス、猿まわしショーなどのステージのほか、神輿(みこし)、わんぱく相撲なども行われた。4日間で延べ約8万人が訪れたという。
神主は「子どもたちも楽しみにしている祭り。思い出づくりになれば。時代は変われども200軒以上の店が軒を連ねるにぎわいは続けていきたい。長い歴史の中で親しまれた祭り。一軒でも多く出店できるように、思い出がつくれるように、そんな祭りであればいい。祭りに足を運んで雰囲気を味わってもらいながら、参拝して祈願してもらえれば」と話す。