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甲府にB型事業所「アンコ」 アートで就労支援、障害者の暮らしに選択肢を

「anlib(アンリブ)」堀内麻実社長

「anlib(アンリブ)」堀内麻実社長

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 企画・編集・デザイン会社「anlib(アンリブ)」が7月1日、障害者就労継続支援B型事業所「anko」(甲府市徳行2)をオープンした。

甲府・Rigelで「アートと生きる研究室-anko art project展-」

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 絵画や手芸、造形などものづくりが得意な人や、ものづくりや音楽、デザイン、ファッションなどが好きな人たちと仕事を生み出すことを主体にした同事業所。

 堀内麻実社長は、取材をする中で障害者と出会ったこと、自身の周りでも高齢出産が増え、障害児を持つ知人がいたこともあり、「普段生活していると出会うきっかけがないが、同じ街の中で生活していることを知っておくといいことがあるのでは」と思ったのをきっかけに2019年、山梨県内の福祉の魅力を発信するフリーマガジン「anko」を自費出版で創刊した。

 当初は、第三者からの発信でネガティブな事を言われたこともあったが、「第三者でしかできない言葉があったりもする」と信じて発信を続けてきた。取材で施設を訪ねた際、アート作品が飾ってあるのを見て、どこで展示しているのかと尋ねると、年1回、県主催の展示会で展示している程度である現実を知った。障害者と一般の壁が取れないといわれる中、アートは壁な無しで見てもらえると思い、2020年~2023年、県内の施設やカフェなどで障害者が手がけたアート作品が毎月どこかで見られる企画「いえなか美術館」を、県から受託し開いた。

 「いえなか美術館」を運営する中で、絵を購入したいという話もあり、「作家のやりがいや生きがいに変わっていった」という。反面、売れなかったことで気持ちが落ちてしまう人もいた。心のコントロールが難しいことを知り、安定した仕組みとして2022年7月、「レンタルアート」事業を独自にスタート。現在は30人の作家が描いた80作品を1点1カ月3,300円から、6カ月・12カ月契約でレンタルしている。

 レンタルアートを始めた頃、事業所に出向いて絵を借りていたため、本人や家族と話す機会が持てなかった。「もう少し一緒に歩む方法はないのか」と考えるようになり、「事業所で一緒にいれば彼らの背中を押しながら一緒に歩んで行けるのでは」と開所を決意したという。

 同所は平屋で、イベントができるスペースを設けられるような場所を選んだ。実際に創作することができ、これまでの絵に加え、立体、アクセサリー、雑貨やオリジナル商品も制作していくという。堀内さんを含め4人のスタッフで運営する。

 堀内さんは「アート分野は絵を知ってもらいたい作品が大半の中で、ankoでは絵と作品はツールの一つ。背景にある彼らの生活を知ってほしい。彼らも彼らで努力している部分があることを含めて伝えながら、彼らの暮らしの選択肢を増やしていけたらいい。絵を売るのがゴールではない。一緒に歩めたら」と話す。

 7月9日・17日・25日の10時~15時に見学会を行う。参加自由。

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