日本百名山・金峰山(きんぷさん)の「金峰山古道復活プロジェクト」で行った林道整備工事が完了し、10月18日に開通した。
金峰山(標高2599メートル)は甲府市と長野県川上村にまたがる日本百名山の一つで、山頂の五丈岩は特に有名。「古道」呼ばれる表参道があり、多くの登山者や信仰者が利用していたが、新しい登山ルートの開通により、次第に利用されなくなったという。
状況を受けてヤマップ(福岡市博多区)は、甲府市やイーデザイン損害保険、地元登山家らと協力し、「御嶽道に続く林業専用道路を一般向けの林道として整備する」プロジェクトを立ち上げた。地域課題の解決を目指す官民一体型の試みとしてプロジェクトの実現を目指す「金峰山を愛する登山者の会」を発足。2023年12月6日、林道整備に必要な費用の一部をクラウドファンディング(CF)で募り、協力を呼びかけた。
金峰山に思い入れのある登山者を中心にCFの支援者は529人を数え、「古道が復活したら必ず登ります」などの応援コメントも多数寄せられ、632万円を集めた。だが、林道整備に必要な資金には足りなかったため、プロジェクトに加わっているイーデザイン損保が不足分を資金援助し、工事資金を甲府市に寄付。今年8月に工事が開始。林道整備だけでなく、駐車場整備なども行い、金峰山への新しい登山口として金峰山古道の復活が実現した。
甲府市産業部農林振興室の坂本尚弥さんは「多くの皆さまから支援を頂き、林道の整備工事が完了した。併せて、駐車場も整備したので、甲府市から金峰山へと続く、かつて表参道として使われていた御嶽古道を、多くの皆さまに利用してもらえれば」と呼びかける。