
甲斐の功徳院(甲斐市中下条)で6月25日、一般社団法人「SOCIAL TEMPLE」が主催する多世代交流食事会「第62回寺GO飯」が開催された。
「寺GO飯」は「子どもも大人もお寺でご飯を食べよう」をコンセプトに、核家族化や共働き世帯の増加により大人数で食卓を囲む機会が減少している現代の子どもたちに対し、「食」を通じて「いただきます」「ごちそうさま」の本来の意味を伝え、命の大切さやありがたさを学ぶ場を提供することを目的に開いている。
2017(平成29)年11月に始まり、今回で62回目。2018(平成30)年11月には「寺GO飯実行委員会」が立ち上がり、運営主体が「坊主道」から実行委員会へ移行したことで、僧侶・学生・社会人が垣根を越えて同じ立場で参画する体制が整った。月1回の開催を通じて、世代を超えたネットワークづくりや地域のにぎわい創出に寄与する。
今回は子ども18人と保護者11人が参加し、本堂で功徳院の住職による読経に耳を傾けた後、住職の法話を聞き、座禅で呼吸を整える時間を過ごした。夕食には牛丼や豚汁、デザートを用意し、食材の調達や配膳は学生とボランティアスタッフ9人が担当した。食後には、参加した子どもたちが机に宿題と筆記用具を広げ、大学生ボランティアが解き方を助言しながら交流したほか、折り紙やかるたを楽しむ姿も見られた。保護者には住職との交流の場を設けた。
ボランティアスタッフで山梨学院高校3年の門脇悠太さんは「子どもたちとお別れする際に、『ありがとう』『またね』と声をかけてもらうことをやりがいに頑張っている」と話す。
実行委員長の浅野文俊さんは「ご飯を食べるだけでなく、食育にこだわって開催している。参加した子どもたちが大きくなって手伝う側になってもらえれば」と期待を込める。
次回は7月20日、同寺で「夏祭り」を予定する。