
笛吹市役所本館前笛吹川河川敷で7月20日に「笛吹川石和鵜飼鵜(う)飼開き」が行われ、「笛吹市夏祭り」の初日を彩る。
鵜飼いは徒歩鵜(かちう)と呼ばれ、全国で唯一、川の中を歩いて一羽の鵜を操る伝統漁法で、800年以上の歴史を持つ。この漁法は平安時代に起源を持ち、地域の人々や文化と深く結びついてきた。昭和初期から明治期にかけて一時、途絶する時期があったものの、1976(昭和51)年に観光振興の一環として再開され、まちの文化遺産として受け継がれている。
鵜飼い開き当日は、開催期間のスタートを告げる式典の後、保存会所属の鵜匠や女性鵜匠(うしょう)、地元高校生らが協力して鵜飼い実演を行うほか、一般公募で選ばれた参加者による鵜匠体験も同時開催するなど、伝統技術の継承とともに地域のにぎわいづくりに力を入れる。徒歩鵜の「かちう」という呼称が「勝ち鵜」とも響き合い、ここ数年は勝利や合格、幸運などにつなげた地域PR活動へと発展し、地域住民や観光客の注目を集めている。
鵜飼い開きと同時に、新たな土産品として考案された「鵜サブレー」も近日中に駅などで売り出す。観光土産や記念品としての活用も進む。
笛吹市観光物産連盟の北浦夏輝さんは「笛吹川石和鵜飼は、笛吹市の伝統文化を今に伝える貴重なイベント。鵜匠と鵜の息の合ったパフォーマンスを、ぜひ間近で見てみていただければ」と話す。
開催は7月20日~8月17日の水曜・木曜・土曜・日曜。鵜飼い=20時~20時50分、花火=20時50分~21時。参加無料。天候や川の状況により中止となる場合がある。