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海の民話アニメ「まりつき唄」お披露目 沼田心之介監督が富士川町長訪問

「海ノ民話のまち」認定式の様子(写真提供=富士川町海ノ民話のまち実行委員会)

「海ノ民話のまち」認定式の様子(写真提供=富士川町海ノ民話のまち実行委員会)

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 富士川町を舞台にした海ノ民話アニメーション「まりつき唄」の監督沼田心之介さんが1月15日、富士川町望月利樹町長を訪問し、アニメのお披露目と「海ノ民話のまち」認定式を行った。

富士川町が舞台の、海ノ民話アニメーション「まりつき唄」

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 「海ノ民話のまち」は、日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環で、日本中に残された海にまつわる民話を発掘し、その民話のストーリーとその民話に込められた「思い」「警鐘」「教訓」を、親しみやすいアニメーションとして映像化する事業。

 同作品は本当にあった姉妹の物語で「まりつき唄」として歌い継がれてきた。姉妹が命を落とした天神ヶ滝(てんじんがたき)などの急流では、かつて多くの水の事故があったという。一方、駿河湾に注ぐ富士川は、生活に欠かせない塩や米などを運ぶ物流の生命線でもあった。海のない山梨県や、長野県南部に暮らす人々にとって、富士川舟運は海と内陸を結ぶ重要な役目を果たしていた。危険と隣り合わせでも、海とつながる水運は、そこに暮らす人々に欠かせないものだったことを伝えている。

 認定式ではプロジェクトの説明、「海ノ民話のまち」認定証・完成アニメパッケージ贈呈、フォトセッションのほか、「まりつき唄」の上映。上映後には監督を交えたフリートークの時間が設けられた。

 望月町長は「時代とともに廃れていってしまう町の歴史を新しい形で後世につなぐことができてありがたい。沿岸部と内陸部を結んだ川の道、自然と人間との共存、どうやって人々が生きてきたかを子どもたちに学んでもらえる素晴らしい機会になった。富士川舟運によってこの地域がかつて山梨県の物流の拠点であったことについて、地域の子どもたちが今後、ふるさとの歴史を学んでいくうえで、今回制作していただいたアニメーションがその入り口、よい題材になってくれれば」と期待を込める。

 富士川町海ノ民話のまち実行委員会事務局の小林慶太さんは「『まりつき唄』は実際に起きた水難事故の様子を地域の子どもたちが歌い継いできたもの。アニメ化という形で埋もれかけた歴史を後世に伝えることができてうれしい。海と内陸を結ぶ交通の動脈だった富士川舟運では毎年多くの水難事故が起きていたが、生活のために人々が悲しみを乗り越えて川とともに生きてきたことをアニメから子どもたちに知ってほしい」と話す。

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