韮崎市の大村美術館(韮崎市神山町鍋山)で9月28日、茶道体験ワークショップが開催された。
ワークショップは同館で開催中の企画展「旅する絵画」の関連イベントとして、絵画に親しみ、日本文化を知ることを目的に、大村智博士の生家の「螢雪寮」で行われた。
ワークショップは午前と午後の2部制で行われ、幼児から大人まで31人が参加した。螢雪寮は、いろりや土間がある伝統的な日本家屋で、敷地内に風情ある日本庭園やあずまやもあり、参加者は自然と調和した空間で日本文化を体験した。
茶道の指導は韮崎市表千家流茶道部師範の藤原紀代子さんが担当。点前に加え、お香の聞き分け体験や花を生ける体験も行われた。お香はビャクダンや希少なマレーシアの香木など3種類を体験した。
最後はあずまやに移動し、庭園を眺めながらお茶と和菓子の一服を楽しんだ。
藤原さんは「茶道における花は市販の花ではなく、野花を生けるのが特徴。かつての人々は花の中に鈴虫を忍ばせ、季節の趣を感じていた」と話し、参加者に古き日本の伝統を伝えた。
参加者の一人は「フリーペーパーでイベントを知った。茶道は初めてだったが、さまざまな体験ができて楽しかった」と話していた。
同館は、ノーベル生理学・医学賞を受賞し、韮崎市名誉市民となった大村智博士が収集した美術品を展示する美術館。螢雪寮は2020年4月、韮崎市では初めて国の登録有形文化財に登録されている。今後も、落語会やコーヒーイベントなどを予定する。