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イオンモール甲府昭和で「放課後カフェラボ」始動 中高生の居場所づくりに

「放課後cafelab(カフェラボ)」に参加した高校生の様子。(写真提供=ブリコルーズ)

「放課後cafelab(カフェラボ)」に参加した高校生の様子。(写真提供=ブリコルーズ)

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 山梨県とイオンモール甲府昭和、一般社団法人「ソーシャルテンプル」、ブリコルーズの4者が7月3日、イオンモール甲府昭和(昭和町飯喰)3階イオンホールに中高生のための実験的な学び場「放課後cafelab(カフェラボ)」を開設した。

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 この取り組みは、自治体、企業、僧侶、クリエーターが連携し、地域の中高生が自らの手で居場所を企画・運営する自治型モデルの実践。単なる遊び場ではなく、学びや企画、運営、社会との接点を体験しながら成長できる場を目指し、学びの「キッザニア for 中高生」として位置付ける。

 山梨県が主催し、イオンモール甲府昭和が会場を提供、一般社団法人「ソーシャルテンプル」が運営、ブリコルーズが企画・教育設計を担う。学習スペースや交流スペースに加え、スマートフォンによる動画撮影コーナーやWi-Fi設備も備え、県内在住の中高生であれば、当日受付を行うことで無料で利用できる。

 キックオフイベントでは「AIと考える未来の居場所アイデア会議」と題し、9月に同所での本オープンに向け、STANDARDの岡田光了さんを講師に迎え、AIを活用しながらロゴの制作などを行った。参加者は高校生8人とメンター役の大学生1人。

 参加した高校生たちは、グループごとに意見を出し合い、AI技術を活用した新しい居場所のアイデアや、地域とつながるための方法について議論した。会場内では、大人たちと高校生が自由に意見交換する姿が見られ、普段接する機会の少ない異世代間の交流が生まれた。

 山梨県内では近年、子どもや若者の居場所づくりが地域課題となり、地域社会のにぎわい創出や若年層の社会参画促進が求められてきた。「放課後カフェラボ」は、行政や企業、宗教者、クリエーターが垣根を超えて協働し、子どもたちが社会とつながる「第三の場所」を共創する新たな試み。過去にも山梨県内では、寺院や商業施設を活用した地域交流の場づくりが行われてきたが、中高生自身が主体となり運営に関わる自治型モデルは珍しい。

 ソーシャルテンプル代表の近藤玄純さんは「自分が子どもの頃と比べると、子どもたちの居場所はまったくない。外で遊ぶこともできないし、たまれる場所も大型ショッピングモールくらいだったりする。大人と同じように、思春期で悩みを抱えている中高生に仏教的な知見を持って関わっていきたい」と話し、「これからを担っていく中高生の、勉強ではなく、実践的な学びの場になれば。社会課題とどう向き合っていくか、学びの手伝いができたら」と思いを込める。

 次回開催は7月9日・12日の16時~20時に同会場で行う。今後は妙福寺(昭和町上河東)でも継続的な活動を予定する。参加無料。

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