山梨県内のエシカルな情報を発信するウェブメディア「taneto(タネト)」が2月24日、開設された。
編集長の岩崎舞さんは、19歳でセラピストの資格を取得し、整体やオイルトリートメントマッサージなどをする仕事をしていた。2020年4月に自宅サロン「sorcier(ソルシエ)」(甲州市勝沼町)を開く予定だったが、子どもの登園自粛で同年夏に延期。セラピストとして活動を続ける中で、「なぜこんなにも不健康な人が多いのだろう」と素朴な疑問を持っていたこと、30代前半で息子が生まれたことで、「この先の社会はどうなっていくのか」「この子が大きくなる頃、地球環境はどうなっているのだろう」と、子どもたちの未来に漠然とした不安を感じていたこともあり、開業が延期になり空いた期間にネットで環境問題について調べ、自分にできることを探すようになったという。
その頃、友人や知人と話す中で「環境のために何かしたいが、何をすればいいか分からない」という声を聞き、2020年10月、タネトの前身となる、山梨県内のエシカルな情報を扱うウェブサイトをボランティアの運営で立ち上げた。3年ほど続けたが、自分の仕事や生活の時間に圧迫されていたこともあり、「続けるために事業にしよう」と覚悟を決め、「自分の暮らしを犠牲にせず、身近な人たちの役に立ち、社会もよくなる事業」として再びエシカルな情報サイトの立ち上げに向けて動き出した。
2023年8月、「やまなし未来共創プロジェクト」の採択を受け、サイト公開に向け準備を始めた。
メディア名には、心の奥底に眠る「やってみたい」という好奇心の種を見つけ、自分に合う環境で学びながら実践して、「未来に希望の種をまく人になろう」というメッセージを込める。
サイトは、「フード」「暮らし」「イベント」「特集」の4つのカテゴリーに分け、山梨県内の店や活動、イベントなどエシカルに特化した情報を発信する。
「tane map(タネマップ)」ではエシカルに関連する県内の店、農場などをグーグルマップ上で紹介する。
岩崎さんは「気候変動を解決するためのアプローチは既に数多く存在している。まずは知ることから始めてみては。その中から、それぞれが『やりたい』と思ったことを行動に移したり、周りの人と話してみたり…。私自身まだまだ知りたいことがたくさんある。タネトを通じて一緒に学んでいけたら」と話す。