甲府市玉諸小学校(甲府市上阿原町)のPTAが3月21日、2023年度卒業生112人に山梨で製作されたハンカチを記念品として贈った。
2023年度のPTA会長、榊原由さんは、教頭から「6年生への卒業記念は毎年のようにPTAよりシャーペンを準備する。ただ資材高騰に昨年より高くなるが、いいですか?」と連絡を受け確認に行った。値上がりした昨年のシャーペンと代替案のカタログを見て、ノープランだったが「2日でいいので、代替案を用意する時間も少しもらえないか」と持ちかけたという。
「産地が地元・山梨県のものにしたい」「記念品を通じて子どもたちに山梨県をもっと好きになってほしい」という気持ちと、「長く使えるもの」「いつか人生に悩んだ時に、ふと記念品を見て仲間が居る、とエールが届けられる」、そんな記念品だったらと思いを込めて代替案を準備した。
記念品はかつて「甲斐絹」と呼ばれていた「郡内織物」産地の富士吉田で3代続く機屋(はたや)「テンジン」にリネンを35%生地に使ったハンカチの製作を依頼し、昨年の運動会のスローガン「It’s玉諸show time」の文字が入ったオリジナルのタグを付けた。
完成した記念品は、卒業式終了後のクラス会で担任から卒業生全員へ手渡された。
榊原さんは「『高騰…しょうがない、それでいい。カタログの中から、こっちにしませんか』と返答すれば、どんなに楽だったのか。けれど僕の判断基準は『心がワクワクと喜ぶ方』を選択した」と話す。