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甲府空襲から80年 山梨県立図書館で記憶伝える企画展

甲府空襲の記憶を伝える「甲府空襲 戦争と平和・環境展」会場の様子。

甲府空襲の記憶を伝える「甲府空襲 戦争と平和・環境展」会場の様子。

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 甲府空襲の記憶を伝える「甲府空襲 戦争と平和・環境展」が7月2日~7日、山梨県立図書館(甲府市北口2)で開催された。

甲府空襲から80年 山梨県立図書館で記憶伝える企画展

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 1945(昭和20)年7月6日深夜から翌7日未明にかけて、甲府市の上空に100機を超える米軍爆撃機B29が飛来し、970トンの焼夷(しょうい)弾が投下された。甲府空襲による犠牲者は1127人に上り、市街地の大部分が焼失した。戦後80年の節目を迎える今年、企画展では甲府空襲の被害を伝えるパネルや、戦時下の暮らしを記録した写真、市民から寄贈された実物の焼夷弾など約370点の資料を展示した。

 会期中の来場者数は2712人。会場には、焼け野原となった甲府市街地の模型や、空襲で焼けた柱時計、当時の生活用品などが並び、来場者は戦争の悲惨さや当時の人々の暮らしに思いを巡らせた。

 今回の展示では、かつて「冬休みの友」「夏休みの友」で紹介された戦争にまつわる課題図書の一覧も紹介。甲府空襲は山梨県の歴史に深く刻まれ、毎年この時期に開催される企画展は、地域の平和教育や次世代への継承の場として定着している。空襲体験者による講演や紙芝居の上演も行うなど、地域の子どもたちや市民が戦争と平和について考えるきっかけとなってきた。甲府空襲の記憶を伝える取り組みは地域の文化や観光にも波及し、平和を願うにぎわいの場としても位置付けられている。

 実行委員会事務局長の保坂雄祐さんは「戦後80年がたち実際に空襲を体験した方が少なくなっていることに危機感を抱いている。戦争を経験していない世代が、その次の世代につないでいかなければならないと強く感じている。語り部はいなくなるが、現在進行形で若い世代が取り組んでいる平和活動を応援し若い世代の力をしっかり形にして平和を推し進めていきたい」と思いを込める。

 6日は、会場と甲府駅南口で高校生6人が参加し署名活動を行い、「核兵器廃絶と平和な世界の実現を求める署名」約180筆を集めた。この署名活動は1万人分の署名を目標とし、集められた署名は「高校生平和大使」がスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届ける。

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