「感涙療法士」の吉田英史さんが5 月 24 日、東京エレクトロン韮崎文化ホール(韮崎市水神1)で「泣くことは『笑う』や『睡眠』よりもストレス解消~泣き言セラピーでチームの関係改善~」と題した、講演会を開いた。主催は、韮崎市シニアクラブ連合会。
韮崎シニアクラブが「涙活セミナー」 泣いてストレス解消の機会に
「涙活」は意識的に泣くことでストレスを解消する方法。人は、2 分から 3 分ほど泣くだけで、自律神経が交感神経(=緊張や興奮を促す神経)から副交感神経が優位な状態(=脳がリラックスした状態)へとスイッチが切り替わるという。ストレス解消には、「悲しみや感動などによる『情動の涙」』が効果的」とも。講演は、「泣いてはいけない」という思い込みを取り去り、遠慮なく誰もが号泣できる機会につなげることを目的に開いた。
当日は、「涙の効能についての講義」「感涙動画上映」「絵本の読み聞かせ」「手紙文の朗読」「泣ける話創作ワークショップ」「一枚の写真で泣こうワークショップ」「泣き言セラピーワークショップ」のほか、涙活体験の気づきや感想を参加者同士で共有する「涙友タイム」を行った。シニアカレッジに入学している128人が参加した。
吉田さんは1975(昭和50)年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学で心理学・教育学を学び、同大学院で人材マネジメントを研究。高齢者福祉施設、学校勤務を経て、現職に。高校教師時代に相談に来る生徒たちを見ていて相談中に泣き出す生徒ほど早く立ち直っていくことから「涙は人をスッキリさせて立ち直らせる効果がある」ことに注目していたという。
2013(平成25)年に「涙活」をスタートし、民間の認定資格「感涙療法士」を医師、脳生理学者で東邦大学医学部名誉教授の有田秀穂さんと創設。感涙療法士として、教育機関、医療機関、福祉施設、企業、自治体で涙活講演会やワークショップを開いている。「なみだ先生」と呼ばれ、主な著書に「涙活力(るいかつりょく)」(玄文社)がある。
吉田さんは「現代人はストレスを抱える社会に生きている。ストレスをためて苦しんでいる人たちにストレスフリーな生活を送ってほしいという思いで『涙活』に取り組んでいる」と話す。