甲府のカフェ「寺崎COFFEE」(甲府市丸の内1)野外テラス席に7月5日~7日の3日間、ストリートピアノが設置された。
実行委員会代表の齋藤連さんは「山梨が好きな」仙台出身で、山梨大学生命環境学部地域社会システム学科の3年生。大学進学のタイミングで山梨へ引っ越し、山梨を盛り上げたいという思いと、家族の影響で幼い頃から音楽が好きだったこともあり、ストリートピアノを設置したいと半年前からピアノを探していたという。
齋藤さんが所属している同大の学生団体「NPDL」が以前、空き家を調査する中で出合った古民家に古いピアノがあり、所有者の承諾を得てストリートピアノとして活用することになった。同団体は、山梨の景観や環境の保全・改善を図ることを目的とし、同大学工学部土木環境工学科・石井研究室が主体となり、活動している。5月には、「使わなくなった家財を次の人につなげよう」「古民家の雰囲気も体験してほしい」という思いから「古民家で骨董(こっとう)市」を開いた。イベントの売り上げはストリートピアノを設置するための運営資金に充てた。
6月初旬、ストリートピアノに興味のある社会人4人とNPDLの学生4人で甲府駅北口の屋内広場に設置することを目指し、「甲府駅ストリートピアノ実行委員会」を立ち上げた。調律費や輸送費などの資金問題や設置場所の問題などを解決し、8月末の設置を目指している。
今回のイベントでは、常設に必要な維持費募金も集まった。当日は、幼児から高齢者まで3日間で60人以上がピアノを弾いた。
小学生女児は「外でピアノを弾ける機会がなかったので、(今回の体験は)貴重でうれしかった」と話した。
齋藤さんは「まちづくりに関心があり、甲府を盛り上げて行きたいと思う中で音楽の力は魅力的。ピアノを一つ置くだけで雰囲気が変わる音楽の力はすごい。街がにぎやかになっていく過程をつくれたらと思いプロジェクトを始めた。今後は、ストリートジャズフェスティバルなど音楽イベントなども行い、住んでいる人たちの笑顔をつくっていければ」と意気込む。「音楽を使ってこの空間を作れているのがうれしい」とも。
近日中にクラウドファンディングでも協力を呼びかける予定。