山梨県立大学飯田キャンパス講堂(甲府市飯田5)で6月20日、社会人向け学習プログラム「makers Unlearn 2026(mU)」の開講記念イベントが開催される。
地方からAI時代の「つくる」を問い直すmakers Unlearn 2026 開講記念イベント
同プログラムは、同大学とTechnelが共同で開発・実施する、「これからの社会人向け学習プログラムのあり方」を検証する先行実施型講座。AIが文章やプログラム生成を担う時代において「つくる」行為の意味を問い直すことを目的に開発したもの。哲学、人類学、デザイン、エンジニアリング、社会実装の5分野を横断し、全12科目・210時間のカリキュラムを用意。受講者はその中から5科目を選択し、課題提出を経て修了認定証を取得する仕組み。講師には50人以上の専門家や実務家が名を連ね、分野横断型の学びが特徴。
プログラムは4段階の構成で、未来のものづくりを見通す視点の獲得から始まり、技術の歴史や哲学、人類学的背景をたどりながら根源的な問いへとさかのぼる。その後、「つくる」という概念を再定義し、最終的に現場での実践へとつなげる流れ。AI時代に求められる思考力や構想力を段階的に養う設計だという。
実地研修は山梨県内や沖縄県西表島で行い、森の中での思考実践や縄文的な道具作り、自然環境下での滞在型学習などを取り入れる。オンライン科目は8科目を用意し、2027年6月末までアーカイブ視聴が可能で、仕事と両立しながら受講できる環境を整える。
開講記念イベントでは、同大客員教授で「WIRED」日本版編集長の松島倫明さんが基調講演を行い、メイカームーブメントの歴史と変遷を振り返る。続いて同大学副学長の杉山歩さん、Next Commons Labファウンダーの林篤志さん、アーティストの長谷川愛さんが、それぞれの立場から「つくる」の可能性について講演を行う。後半には5人によるパネルディスカッションを行い、地域からの技術実装や大学教育のあり方について議論を深める。
企画統括を務めるTechnel代表で山梨県立大学特任教授の七沢智樹さんは、甲府を拠点に技術哲学の研究と実践を行ってきた人物で、企業での技術開発経験を背景に国内外で発信を続けている。
七沢さんは「AI時代のものづくりを教えるという時に、社会人向けのプログラムでどうしたらいいんだろうと考えた。単純にAIのスキルを身につけるというのではなく、そもそもAI時代にものづくりがどう変わるのかということを捉え直すことが必要なのではないかと考えた」と話し、「来年4月開設予定のメイカーズ学科の母体となる組織と一緒に、社会人向けのプログラムを今年から始める。山梨から新たな挑戦が始まる」と意気込む。
開催時間は13時30分~16時30分。参加無料。